プロジェクトストーリー
PROJECT STORY
前例のないクラウド基盤の構築。JFEスチールのDXを強く支える。
クラウド基盤構築

プロジェクトの概要
- JFEスチールのDX推進基盤の構築
- セキュリティ、利便性、コストなどあらゆる検討項目をクリアする
工夫した点
- クラウド環境のあらゆる土台をゼロから整理・構築
- セキュリティと利便性の両立
- クラウド活用推進を通し、事業部全体でJFEシステムズの価値を発揮
プロジェクトの成果
- 「使い勝手が悪ければ撤退」と言われていたお客様に正式運用を認めてもらえた
- 「JFEシステムズでクラウド構築ができる」実績の確立
- JFEグループ全体や一般のお客様への展開へつなげる第一歩に
DX戦略として製鉄所全体にCPSを活用したインテリジェント製鉄所の実現を目指すJFEスチール。
そんな構想を推進する上で核となるのが、クラウド基盤でした。JFEスチールにとって初めてとなるクラウド基盤の構築に挑んだ2人の社員のストーリーをご紹介します。
プロジェクトメンバー
Project Members

基盤事業本部
PMY.H.
2008年入社
JFEスチール本社基盤構築のチームリーダーを担当。クラウド環境への移行を中心に、サーバーおよびミドルウェア導入に関する全体取りまとめを行った。

基盤事業本部
PLH.N.
2019年入社
JFEスチール本社基盤構築のチームメンバーとして、老朽化更新やシステム刷新などの提案から設計・構築を務めた。
製鉄現場のDXを
進めるために。
初めて挑むクラウド環境
まずは、今回のプロジェクトについて教えてください。

Y.H.
今回チャレンジしたのは、「CPS(サイバーフィジカルシステム)」の実現です。現実の製造プロセスで生じるデータを収集・分析し、仮想空間でシミュレーションする仕組みをつくることを目指しました。これによって現実では見えない設備内部の状態把握や将来予測を実施し、仮想プロセスでの健全性監視・異常予測の結果を実際の操業にフィードバックします。すると、これまで熟練のオペレーターの経験や勘に頼っていた部分を、データに基づいて再現できるようになって、お客様の「インテリジェント製鉄所」構想の実現を支援できると考えました。

このプロジェクトはどのような背景で始まったのでしょうか。

Y.H.
もともとJFEスチールの研究部門では、製造プロセスのシミュレーションを行うモデルを、研究者自身のパソコンで開発していました。ただ、扱うデータ量が膨大で、個人のパソコンのスペックでは限界がある。加えて、個人端末で作業をすると、セキュリティやライセンス管理の面でも課題が出てきます。そこで「クラウド環境で開発できないか」という相談をいただいたのが始まりです。

H.N.
経験のない未知の分野でしたが、お客様の利便性などを考えると今後クラウド活用は避けては通れません。またとない成長の機会だと捉えて、このプロジェクトに臨みました。
トライアンドエラーを
繰り返しながら、
お客様の要望を
素早く形にする
具体的にどのようなことに取り組まれたのでしょうか。

Y.H.
まずはPoC(概念実証)*からのスタートでした。お客様からは「使い勝手が悪ければ撤退」と言われていたので、最初の数ヶ月は本当にトライアンドエラーの連続。「この機能がないと使いづらい」「これでは全然ダメ」といったフィードバックを受けては改善する、ひたすらそれを繰り返しながら、よりよい基盤をつくることを目指しました。
*Proof of Conceptの略称、新たなアイデアやコンセプトの実現可能性、得られる効果などの検証のこと

H.N.
お客様の中にはクラウドに詳しい方もいらっしゃって、「このサービスを使いたい」という具体的な要望も多かったです。それにいかに速く応えるかが求められましたね。


Y.H.
技術的な問題や疑問点に関しては、ビジネスパートナーとも毎週のように定例会を設けて密にコミュニケーションを取りながら、スピーディに一つひとつ解消するようにしました。お客様の要望に対して、「自分たちに何ができるか」「できないことは、誰にどう協力してもらったら解決できるか」を考えながら進めていきました。

H.N.
私自身、クラウド環境に関してはほぼ知識がゼロからのスタートだったので、さまざまな教材を活用して基礎から学んでいきました。また、学んだことをすぐに検証に活かそうと、AIによる自動化技術なども積極的に取り入れながら環境構築のスピードと品質を上げていきました。
「使い勝手が悪ければ撤退」
そんなプレッシャーの中で
最も苦労されたのはどのような点ですか。

Y.H.
セキュリティや契約内容、必要な機器など、クラウド環境をお客様に提供するためのあらゆる土台をゼロから整理してつくったことです。たとえば、JFEスチールにとって、DXも大切ですが、セキュリティもとても重要な課題です。セキュリティを高めれば利便性が下がってしまう、利便性を高めればセキュリティのリスクが高まる。そんなせめぎ合いの中で、どう折り合いをつけながら、お客様が納得できるスキームをつくれるかは苦労した点ですね。

H.N.
正直、ここで失敗したら「やっぱりクラウドは難しい」という印象をお客様に与えてしまう。今後のビジネスチャンスを失わないためにも、何とかお客様が満足できる形にしなければならない。そのプレッシャーは大きかったですね。

Y.H.
ただ、本当に助かったのは、事業部全体でフォローしてくれたこと。一般顧客部門から、今回の案件で使用するクラウドの構築経験があるメンバーをアサインしてもらったり、クラウド活用を推進する部門が新設されたり。そうした社内のバックアップは大きかったです。

H.N.
新設された部門には本当にお世話になりました。「こういう部署で、こういう構成で構築した実績があるよ」と紹介してもらえたので、とても参考になりました。また、お客様にも「当社には、こういう実績があります」と説明できた。本プロジェクトに限らず、JFEシステムズの実力をアピールすることもできたと思います。

JFEスチールにとっても、
自社にとっても
新境地を切り拓く一歩に
プロジェクトの成果と、今後の展望をお聞かせください。

Y.H.
最初は5人程度のユーザーによるPoCから始まったものが、徐々にその数を増やしていき、約200名のユーザーが利用し、11のモデル実行環境を提供するまでになりました。お客様からも「本番環境として正式運用を開始しましょう」と認めていただけました。JFEスチール向けにAzure・AWSというクラウド環境を提供する初めての事例となり、社内外に「JFEシステムズでもクラウド構築ができる」という実績をアピールできました。

H.N.
やってきたことが無駄にならず、お客様の期待に応えられたと実感できた瞬間の達成感はひとしおでした。社内でも大々的に成功事例として共有され、他案件への展開やクラウド推進の加速に貢献できたと感じています。

Y.H.
今、JFEスチールはDX分野に力を入れていく方針を打ち出されています。本社だけでなく、千葉工場など他拠点への横展開も見込まれていますし、JFEグループ全体や一般のお客様への提案にもつなげていくのが今の目標です。
私自身、従来のやり方を踏襲したり、部門内に閉じたりするのではなく、新しいアプローチを開拓したり、他部署の力を借りたりすることで、「JFEシステムズとしてお客様にどんな価値が提供できるのか」という視座が高まったように思います。今後は、この経験を活かして組織に貢献していきたいです。

H.N.
これまで鉄鋼部門では、システムを自社で構築・運用する「オンプレミス」が基本でしたが、今後はクラウドも提案できるようになる。組織として、この武器をもっと磨いていきたいです。
これからは積極的にお客様にクラウド活用を提案し、プロジェクトに若手をどんどんアサインし、チームとして経験値を積んでいけたらいい。そうして、お客様のどんな要望にも応えられる組織をつくることができたらと思います。

※所属や内容は、取材当時のものです。

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