プロジェクトストーリー

PROJECT STORY

40年分の「手作業」を、ERPでスマートに。

ERP導入

プロジェクトの概要

  • 製造業のお客様の手作業中心の業務をERPで効率化
  • 会計と調達をつなげ、将来を見据えたスマートな基幹業務の仕組みづくり

工夫した点

  • お客様社内の関係者全員にERPの価値を納得してもらう
  • 専門用語はお客様の言葉に置き換えてわかりやすく
  • お客様の業務内容を積極的に学び、共通言語で話せるように

プロジェクトの成果

  • データの一元管理や可視化を実現
  • 業務効率や意思決定を迅速化し、運用負荷を軽減
  • JFEシステムズ社内にも知見が蓄積、チームの課題解決力強化につながった

40年来の会計システム刷新に挑むERP導入プロジェクト。他部署を巻き込み、業務そのものを変えていく長期案件を、プロジェクトマネージャーK.N.と若手2名が推進しています。お客様と同じ目線に立ち「未来のスマート」をつくる、プロジェクトの現場をご紹介します。

プロジェクトメンバー

Project Members

  • ERPソリューション事業本部
    プロジェクトマネージャー

    K.N.

    2006年入社

    プロジェクトマネージャーとして、自動車部品・半導体・商社などのD365*導入を経験。本プロジェクトもプロジェクトマネージャーを務める。

  • ERPソリューション事業本部
    調達領域リーダー

    I.S.

    2021年入社

    素材メーカーや電子工業へのD365導入案件を数多く経験。本プロジェクトでは、調達領域のリーダーを務める。

  • ERPソリューション事業本部
    会計領域リーダー

    Y.H.

    2022年入社

    D365のシステム導入におけるプロジェクトリーダーとして、半導体業界のシステム導入を経験。本プロジェクトでは、会計領域のリーダーを務める。

*Dynamics 365の略称、Microsoft社より提供されているERPパッケージ

ERP導入により、働き方
そのものを変える挑戦

事業部について、また今回のプロジェクトについて教えてください。

I.S.

ERPソリューション事業本部は、企業の基幹システムを支えるERPパッケージの導入を担っている部署です。第1開発部はドイツのSAP*、第2開発部はMicrosoftのDynamics 365(D365)という、業務を一つにつなぐERPパッケージを中心に導入しています。今回の案件は、私たち第2開発部が担当しました。

*ドイツのSAP社が提供するERPパッケージ

Y.H.

ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略で、会計や調達などの基幹業務を、1つのデータの流れとしてつなげて管理できる仕組みです。部署ごとに点在していた作業をつなげることで、各工程での手作業を減らしながら、決算までの流れを効率化できる点が大きなメリットです。

K.N.

プロジェクトのきっかけは、製造業のお客様から、「40年来利用してきた会計システムを新しくしたい」とのご相談をいただいたことです。このご相談に対して、会計システムだけを入れ替えるのではなく、調達システムも合わせて刷新することで、ERPのメリットを最大限引き出すご提案をさせていただき、D365への置き換えを進めており、現在は要件定義の最中です。

それぞれの役割を教えてください。

K.N.

私はプロジェクトマネージャーとしてプロジェクト全体の推進役を担っています。実はプロジェクト開始以前からお客様とは営業支援(プリセールス)として関わらせていただき、ERP導入の提案から導入プロジェクトの本稼働まで、一貫して携わっています。I.S.さんとY.H.さんにはそれぞれ、お客様の調達領域・会計領域に関する開発のリーダー役を担ってもらいました。

I.S.

私は調達領域の開発リーダーとして、調達に関する協議や会議の主導、調査、仕様の整理などを担当しており、お客様の調達部門の方と密にコミュニケーションを取って、要望をシステムへ反映させています。調達とは、企業が「ものを買う」領域です。製造業のお客様なので、原材料の購入はもちろん、事務用品のペン1本から工場の設備まで、幅広い購買が含まれます。経営にも直結する分野なので、この領域を任せていただいた責任を感じています。

Y.H.

私は会計領域のリーダーとして、I.S.さんと同じように会計部門の課題をシステムで改善しています。会計は、購買や販売などで発生する「お金のやり取り」を管理しています。調達で物を買えば支払いが発生しますし、製品を売れば入金があります。そうした取引を整理して、最終的に決算書として「いくら儲かったか/損したか」を出せる状態にするのが会計の役割です。このプロジェクトでは、会計の要件整理に加えて、調達と会計がつながったときの全体像をお客様にイメージしていただくことも大切な役割だと感じています。

K.N.

今回のプロジェクトのポイントは、調達で買ったものが支払いに流れ、会計につながるという一本の流れをつくることです。だからこそ、会計システムの刷新だけではなく、調達や会計の部署の巻き込みが不可欠でした。現状の業務を伺うほど、人手による業務が多く、システム導入による「スマート」化の効果が大きいものになると感じました。

全員が納得できる、
変え方を目指して

今回のプロジェクトの目的について、教えてください。

K.N.

目的は大きく2つです。一つ目は、長年のシステム運用の中で増えてしまった手作業や転記作業を減らし、業務をスマートにすること。二つ目は、D365導入によって制度会計(決算などのルールに沿った会計)の合理化と、管理会計(経営判断に使う数字)の強化につながる基幹業務システムを確立することです。

そのためにまず着手すべき課題は、お客様側の会計・調達を担当するチームに同じビジョンを共有いただくことでした。会計チームは、40年使っていたシステムの刷新なので課題感も切実で、前向きになりやすい。一方、調達チームは普段使っているシステムが導入から10年程度で、現状に対する不満もそこまで大きくない状況でした。ただ、ERPのメリットを最大限に得るためには、会計だけの刷新では効果が薄い。お客様社内の関係者全員にERPの価値を納得してもらい、気持ちよくプロジェクトに参加してもらえるかが肝だと感じていました。

I.S.

そうですね。調達チームにとっては、現状に不満が無いところから検討がスタートしました。だからこそ、表面的な説明ではなく、「ここがこう変わると、業務の未来はこうスマートになる」ということを一つひとつ伝え、同じビジョンに向かうことを心がけました。

Y.H.

逆に会計チームは、現状の業務が相当大変だったそうで、改善への期待が強かった印象です。会計における手作業というのは、例えば取引に関する書類のデータを一つひとつシステムに打ち込むといった作業です。ERP導入後についてご説明すると「それなら明日にでも使いたい」と言っていただけることもあり、前向きに進められました。ただ、調達と会計がつながるためには、調達チームの方にも会計の流れを理解していただく必要があり、そこは丁寧な認識合わせが必要でしたね。

プロジェクトを進める上で、工夫していたことはありますか?

K.N.

私は一貫して、チーム全員に楽しくプロジェクトに参画してもらうことを意識していました。その上で、「ERP導入で業務が変わる」ことを伝え、「新しい業務を設計していくプロジェクトである」という前提を早い段階から共有しました。お客様側のプロジェクトマネージャーと認識が合ったことで、会議はいつも和気あいあいとしています。

I.S.

私が特に意識したのは2つです。一つ目は、専門用語をお客様の言葉に置き換えること。例えばD365には「購買要求」という言葉がありますが、そのままでは伝わりません。お客様の言葉に置き換えると「注文依頼」に近い、といった形で、一つずつ紐づけました。
二つ目は、打ち合わせの準備です。タイトなスケジュールでの進行のため、資料は1から作るのではなく、社内の既存資料を活かしながらも、お客様の目線に立って「今回のプロジェクトに必要不可欠な情報は何か」を押さえて資料を作成しました。

Y.H.

I.S.さんと同じく、私もお客様の言葉で説明することを意識しました。加えて、自分自身の会計知識の補強も心がけましたね。会計は専門性が高いので、お客様の話を理解できないと前に進めません。分からないことがあれば、経理の経験があるK.N.さんに質問し、知識の付け方も相談しました。書籍を紹介いただいたらすぐに購入して読み込むなど、会計リーダーとして「分からない」を放置しないことを意識しました。

K.N.

2人とも、単に言われたことをやるのではなく、「相手は何を狙って質問しているのか」「それに対してどう答えるのか」と、一段と深く考える癖がついてきたと実感しています。これまでいくつもプロジェクトを一緒に手掛けてきましたが、成長を感じてとても頼もしいです。

正解を教わるのではなく、
考え方を身につける

このプロジェクトを通じて感じたJFEシステムズの強みや、自身の成長実感はありましたか?

Y.H.

そうですね、「ERPシステムは標準的にはこう入れましょう」という部署の導入基準を確立しておく価値を実感しました。そこから逸脱すると、お客様要件が複雑化し、導入やその後の運用が難しくなります。標準を目指す方針があるからこそ、判断のよりどころができました。

I.S.

私は、要件定義を主導するのが初めてで、最初はすぐに答えられない質問もありました。その時に「答えだけ」を調べると次の打ち合わせでまた話が進まなくなるので、質問の背景まで考えるようになりました。そういう考え方を、日々の相談の中でK.N.さんから学べたのは大きいです。

K.N.

教える側としては、仕事は座学だけでは身につかないと思っています。実案件の最前線で、お客様と対峙しながら「考え方」まで身につける。その機会を作るのが自分の役割です。今回のように若手がリーダーを担い、責任感を持ってやり切る経験は、本人たちの成長に直結すると感じましたね。

ここまでの成果として実感されていることを教えてください。

I.S.

良い意味でお客様と距離が近く、一体になってプロジェクトを成功させるための協調関係ができあがっていることです。調達チームで言うと、先方の課長が理解・納得すると「いいね」と言ってくださるんです(笑)。それが出ると、場の空気も良くなり、「今の伝わったね」とチーム全体で認識できるまでになりました。私たちの仕事はD365という製品を通じて業務を改善するだけではなく、その先のお客様自身の明るい将来につながる仕事ができているんだなと思いました。

Y.H.

今回のプロジェクトは、大きな成果をもたらしていると感じています。社内に対しては、プロジェクトを通じてシステム設計・導入・運用に関する知見が蓄積され、チームの提案力や課題解決力が向上しました。またお客様には、システム導入によりデータの一元管理や可視化が実現し、業務効率や意思決定の迅速化、運用負荷の軽減といった改善効果を実感いただいています。

K.N.

ここまで安定して要件定義を進められていること、そして若手がリーダーとして実務を回せる状態になっていることが大きな成果ですね。社外的なインパクトはこれからになりますが、過去に私たちが関わったD365導入の取り組みで、Microsoftから表彰をいただいた経験があります。今回も類似の形で進められているので、結果として評価や紹介につながり、事業拡大の追い風になれると考えています。

個人の経験を、
組織の成長エンジンに

今後の目標をお願いします。

Y.H.

システムを導入するだけでなく、お客様と同じ目線で一緒に進めることを、今後も大切にしたいです。そのために、より広い視点でプロジェクト全体を推進できる力をつけたいと思っています。

I.S.

今回の空気感はK.N.さんが土台を作ってくれた部分が大きいので、プロジェクトマネージャーが違っても同じように良い雰囲気をつくれるようになりたいです。加えて、今はルートを示してもらいながら進めていますが、将来的には自分で判断し、主導できる状態を目指したいです。

K.N.

私の目標は後進育成です。今回のような経験を2人だけで終わらせず、若手と組んで成功体験を増やし、ERPを胸を張って広げられる事業へ、組織として育てていきたい。私自身の目標というより、組織として強くしたいですね。

※所属や内容は、取材当時のものです。

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