WORK LIFE HAPPY
ワークライフハッピー

制約があるからこそ
一歩先を見据える

山下 夏美さん

profile

2018年入社、総務部 広報グループに配属。以降、大学で専攻したデザインの知識を生かし、DTP(デスクトップパブリッシング)・Webデザインを主業務とし、当社コーポレートサイト更新、社内報(紙版・イントラ版)の制作に携わっている。

若手広報担当として活躍する山下さん。浜松町本社初の電動アシスト車いすで就業する社員です。
大学時代に学んだ「デザイン」と「広報」との出会い、就業に向けた不安をどのようにクリアしてきたか、また入社2年目の現在の状況と将来の夢について聞きました。

「デザイン」と 「広報」との出会い

私が車いすの生活を始めたのは、小学2年生の時からです。両親は、私が小さな頃からいろいろなことに挑戦させてくれました。スキー場でスキーを装着してみたものの、やっぱり怖くて滑れなかった思い出もあります。そんな両親のおかげで、活動的な性格に育ちました。

大学生からは電動アシスト車いすを使うようになり、1度訪問してバリアフリーの状況が把握できた場所であれば、1人で外出できるようになりました。

私がデザインを学び始めたのは、「もっとかわいい車いすを作りたい」と思ったことがきっかけです。そのため、大学では「工業デザイン」を学びまし た。しかし、ほどなく細かな設計や手作業は自分に向いていないことに気づき(笑)、パソコン作業だけで表現できる「グラフィック系デザイン」に興味を持つようになりました。

就職活動では、これまで学んできたデザインの技術を生かせる職を探していましたが、就職活動で出会った方々とお話をさせていただく中で、広報の仕事はデザインが大きな役割を果たすことを知り、当社を志望しました。

不安だった「車いすでの通勤」

就業にあたり、最も不安だったことは「車いすでの通勤」です。乗り継ぎ駅のバリアフリー状況や朝のラッシュ時の混雑具合、駅から会社までの経路に問題はないか、また腕や手の力が弱く傘がさせないため、出社が天候に左右されないかも不安でした。

そこで、入社前に実際に自宅から浜松町本社まで出社し、職場内のバリアフリー状況をシミュレーションする機会をいただきました。当時まだ移転前だっ た浜松町本社を見学させてもらい、「多目的トイレ」や「自動ドア」、「セキュリティカードセンサーに手が届くか」などを確認し、不安を解消することができました。

入社後は、会社の制度も活用しています。「フレックス制度」を利用して通勤ラッシュを回避したり、帰宅時に天候の悪化が予想される場合には、早めに帰宅したりしています。

また、車いす通勤は、強風時や積雪時には身動きがとれないため、悪天候時に備え、在宅勤務の利用環境も整えてもらいました。幸いまだ利用実績はありません。

職場も「できること」「できないこと」を伝えられる雰囲気でした。職場のレイアウト改善や、会議時のパソコンの運搬など、自分では難しいことをサポートしてもらっています。

人より制約がある分一歩先を見据えられる人材に

入社してもうすぐ丸2年になり、業務が一通りできるようになりました。自分が携わった社内報記事を「見たよ!」と言ってもらえた時や、新しい仕事に挑戦できた時には、本当にやりがいを感じます。一方、自分の課題も見えてきました。

1つ目は、文章力です。広報はプレスリリースや社内報など文章を書く機会が多く、最近は特に「文章力は脳内の引き出しの多さがモノを言う」と実感しています。まだまだ自分の引き出しは少なく、これから増やしていきたいと思います。

2つ目は、時間的制約です。私は通勤時間の関係であまり残業ができません。しかし広報業務は、繁忙期の見通しが立てやすいので、年間スケジュールを把握し、前もって準備を進めることが可能です。

限られた時間でも、常に一歩先を見据え、少しでも良い仕事ができる人材に成長したいです。