アメリカへの導入でいろいろと苦労されたようですが。
成澤システムそのものに対しては、当社は十分な力がありましたので、あまり問題はなかったのですが、英語での意思疎通には苦労しました。英語に関しては通訳もいたのですが、通訳を介するとやはり時間がかかるのと、ダイレクトに話をするのとでは感覚的にも違ってくるので、結局、プロジェクトチームの者は仕事をしながら、英語を習得していきました。
それから、言葉よりも実は、発想や考え方、習慣などの違いが難しいところでした。プロジェクトは最初にいろいろなことを決めて、進行します。しかし、アメリカのチームは私たちが言うところを理解はしてくれるのですが、テスト後「これじゃだめだ」「足りない」ということがしばしばあり、ゴールがどうしても折り合わないことが常でした。
私たちからすると、このテストで結果が十分証明できる、これでいいと思っても、相手の思うゴールがこちらの予想よりずっと高かったのです。システムを導入するのだから、システムが100%保証するものでないとダメとなる。想定外のことを要求されることはありませんでしたが、相手が納得するところまでトライ&エラーを繰り返し、最初に予想していた工程、予算をはるかにオーバーしました。結果として、現在このシステムはアメリカで非常に高い評価を得ているのでよかったと思っています。
戸田私の場合、開発時は、お客様と直接話すことはなかったのですが、リリース後の仕様変更を担当することになり、英語を猛勉強しました。会社からも短期間ですがインドに研修に行かせてもらい、小さなプロジェクトを現地でインドの方と取り組み、英語での仕事に徐々に慣れていきました。
その後、アメリカから来日したお客様と仕様変更について検討し、自分でシステムの仕様変更の設計書をおこして、協力会社に開発をお願いしたのですが、最初にプロジェクトに参加したときから大きく成長できたと感慨深いものがありました。