要件定義が肝心だと伺いましたが。
日原システムを導入する前段階で、必要な機能やお客様の要求を整理して検討する「要件定義」がうまくできるか否かで、その後のプロジェクトの流れが変わっていきます。私たちが導入を支援するERPはすでに製品として存在しているので、最初からお客様に動くものを見ていただけるのが大きなメリットです。第一印象が大切ですので使いにくそうなイメージを与えてしまわないように、なるべくパッケージのいいところをアピールしますが、明らかにお客様の業務と合わない部分についても率直に申し上げるようにしています。現場での使い勝手も重要になるので、実際に使われる方にも加わっていただいて調整していけるとベストですね。ここでしっかりと製品の機能とお客様のご希望を合わせることができれば、実際の導入がスムーズになります。
児島ただ、すでにある製品ゆえに、標準の機能とお客様の「こうしたい」という要求がうまく合致しないこともあり、妥協していただくことも出てきます。その場合は、「できない」という話ではなくて、妥協案や代替案を必ず提案するようにしています。製品内で代わりになる機能があるか探す、工夫をするなど、一から作るシステム以上に難しさを感じる点でもあります。その反面、そのような過程を踏むことで、製品に対する理解が深まり、アイデアやノウハウが増えていく面白さもありますね。業務を重ねながら勉強させていただいています。
日原必ず、"FIT & GAP"という形で、お客様に合うところ、合わないところを検証していきます。ITの知識量だけでなく、お客様からの要求をいかにうまく調整していけるかが肝心です。標準パッケージをできるだけ活かした方が、作業工程が楽になるだけではなく、後々のトラブルも少なくて済みます。こちらの意見を押し付けすぎても、お客様の意見に追従しすぎもいけない。そこのバランス、柔軟性も私たちの仕事に求められるものだと思います。
時には稼働してから、業務の変更などさまざまな理由から、要件定義がひっくり返ってしまうこともありますが、そこも柔軟に対応していかなければなりません。